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浦安市運動公園 舞浜スケートパークをご利用の皆さんへ

いつも浦安市運動公園 舞浜スケートパーク利用に関して、ご協力頂きありがとうございます。今日は皆さんに知っておいてもらいたことがありましてご報告させて頂きます。

昨年2017年5月にリニューアルされた舞浜スケートパークですが、毎日沢山のスケートボーダーに利用して頂き、「自由な雰囲気がいい」、「セクションの設計や配置がいい」、「子供を除きヘルメットが任意など利用者目線なのがいい」、と、沢山の方にご好評頂き、リニューアルに向けて活動を続けてきた僕らはとてもうれしく思っています。ご協力頂きました皆さんには本当に感謝しております。

3回の改修工事を経て現在のパークになる経緯に関してはとても長いストーリーがありますが、もともと舞浜スケートパークは運動公園の施設ではなく、公園の設備のひとつとしてコンセプトが作られました。皆さんが行く他の公園のアスレチック設備や、広場の滑り台や、歩道のベンチ、なんかと同じ位置づけです。やっぱりストリートのテイストを残すようにそんなコンセプトでコンサルさんと打ち合わせして進めていきました。それを理由付けるもっとも大きな部分はフェンスです。最初のプランでは柵はありませんでした。あそこは公園の中でもレベルが低い(土地の高さが低い位置にある)部分で、雨の時には大きな水溜りが今でも出来ますが、別の見方をすれば周囲の少し上がったところからパークを見下ろせることになります。それを柵で巻いたのは、外から忍び込む人を防止するという意味ではなく、中から飛び出たデッキが見ている人にぶつからないため、また、キックボードや金属ペグのBMXなど、使用が禁止されている内容やルールに関して利用者に入口の注意書きを見て欲しい、という意味から低い柵が設置されました。柵と言っても高さは約60cmで、キッズでも乗り越えることは簡単にできる高さになってます。

昨年、地元愛好者代表としての僕と、NPO浦安スケートボード協会の代表で、パーク担当部署の市民スポーツ課の方々と市役所でお会いしました。2017年の選挙で、市長が新しく変わり、新市長になったのと、役所内の担当者にも変更が出たのもあり、連絡や引継ぎ事項かと思って伺ったところ、市役所からは課長はじめ6人が同席し、「来年度からスケートボードパークを有料化したい」という内容でした。理由は、公園の「施設」として、公的資金が建設費の半分を負担し、残りの半分は利用者に負担してもらう必要がある、とのことでした。そのときには「有料化のためにご意見を聞かせて欲しい」という事だったので、僕は舞浜パークはそもそも有料施設としてスタートしたものではなく、設計や内容を考えても「施設」ではなく公園の設備のひとつです、ってことや、地元愛好者、現在利用している人もみんなその認識でのびのび楽しく利用させてもらっている、また17年前にできた最初のパークから地元愛好者の代表として活動してきた僕としては、リニューアルの際に「無料で自由度の高いパークにしたい」って前提で愛好者達と意見を調整しながら進めてきて、基本コンセプトやデザインや設計もその軸でスタートして組んでいった経緯があります。すでに無料で沢山の人にご好評いただいているパークに関して、地元のみんなや沢山の利用者にこのまま「有料になります」とはとても言い難い。愛好者代表としても、個人としても有料化には絶対に反対です。とお伝えしました。地元協会代表も同じ意見で、有料化には絶対に反対という意見をお伝えしました。

ただ有料なのが嫌で反対しているのではありません。先に書いたとおり、あのパークは利用者にとってはそもそも有料施設としてプランニングされたものではなく、公園のブランコやアスレチック設備などと同じように公園の設備の一部としてコンセプトが作られ設計されました。ディズニーランドのモノレールからスケートボードの魅力が見えるように、モノレールの方向に開けた配置にもしましたし、レッジやカーブも普通のパークよりもストリートに近い感じになっています。ポーリーなんかも、まっすぐなポールをわざわざいくつかの種類の角度に曲げて配置しました。そうして完成してここまで受け入れられたパークです。また、同じ公園の敷地にあるプールやジムや他の有料施設と同等の施設として考えたとしても、舞浜パークは雨が降れば大きな水溜りが何日も残って好きに使えないことも多く、照明設備もなく体育館や他の施設が終了する21時までの利用は到底できません。フェンスにしても60cmの高さは先に書いたように締め出すものではなく事故を避けるものですし、このまま有料化するのはとても乱暴で地元愛好者だけでなく全国から訪れる沢山のスケートボード愛好者にも到底受け入れられるものではない。「ご意見を聞かせて欲しい」ということだったので、そういう理由や僕らの絶対反対というスタンスをお伝えして、その日は帰路につきました。

その後、市役所の担当から連絡があり「来年度2018年の有料化はなくなりました」と報告を頂きました。僕らは当然と思ってはいましたが、「もし勝手に有料化されたらとんでもないことになっていた」と安心しきることはできませんでした。

そして、先日の今年2018年の5月、「新しい市長になったので地元のスケートボード協会として挨拶に行っては」という意見もあり、僕と地元協会代表とローカル代表で、秘書課にアポを取ってもらい新しい市長とお会いすることになりました。市長室でお会いして、お散歩バスのお話しや、運動公園の工事の話や、野球場やアーチェリー場の話しや、色々な話しの流れから、突然市長が「スケボーパークは来年から有料化するから」って話をされました。目が丸くなりました。前に市役所で「引き続き検討を続けていくのでまたご意見伺いたいと思っています」と言っていた、パークの担当部署の課長は移動になっていて、新しい課長になっていました。

もちろん僕らは「そうですか」とは言えません。以前の打ち合わせの際に前課長と「打ち合わせを継続していく」、って言われたことや、上記のように、今のままの状況でそのまま有料化するのはどれだけ乱暴か、ということや、他の自治体のパークで有料化して失敗して結局無料になった施設の例や、いくつかの話をさせてもらいましたが、新しい市長は「まあ、何を言われても来年から有料化してみますから。とりあえず有料にしたらどうなるか試させてください」と一方的にお話しされました。僕も地元協会代表も当然それを受け入れる返事などできませんので、「僕も協会代表も、有料化には断固反対です」とお伝えしました。新市長は「まあ合意されなくてもしょうがないよね。こうやって不調になってもしょうがない。でも来年春からは有料化されます」ということでした。

それから色々考えました。有料化反対の立場をより濃くして活動することも、同志を集めて抗議することも、じっくりと話しあって解決策を探すのも、色々な考えがよぎりましたが、最終的に僕が思ったことは、この事実を包み隠さずローカルやパーク利用者にお伝えしよう、ということでした。有料化されることが決まっているとしても、水溜りやフェンスだけでなく、設計段階ではBMX禁止ということでアングルを入れずに作ったカーブが、オープン直前に突然BMXも利用可能になって金属ペグでガタガタになってしまっている現状や、キックボードやスネイクボードなど利用規則で入場が禁止されている遊具で遊ぶ子供たちと、そのことを注意すると逆上する親御さんたち、等々現状ある問題をそのままに有料化を進めるのはとても乱暴なのかと思います。企画計画の時点では夢と希望が詰まったパークが、施工の不具合やオープン後の運営管理で少しずれていってしまってました。有料化の撤回に向けて、関係者みんな仕事の合間をぬって対応していくつもりで話していたのに、なんの話し合いもなく「来年から有料化する」というすでに決定されたようなニュアンスで伝えられ、愛好者のみんなにこうやって進んでいることをお伝えせずに、このまま突然有料化されることは僕らにとってはありえないこと。僕らに今できることはこの現状を皆さんにお伝えすることばかりとなりました。

僕個人としては、まず皆さんに謝りたい。地元愛好者としてみんなが自由にのびのび練習できるパークを作りたい、って想いで18年続けてきたことが、僕らとは関係ないところで最初のコンセプトや方針が捻じ曲がってしまって、来年からはあのパークが有料化されることになるかもしれない。僕の力不足でここまでそれを説明しご理解頂くことも、撤回してもらうことも出来ませんでした。あのローカル達や全国各地から集まるスケートボーダー達で今と同じようにセッションすることもできなくなるかも知れない。もともと15年くらいずっと無料であった20m×40mの旧パーク部分はなんの補修もなく今もそのままだけど、もしかしたら一緒に有料化されてしまうかもしれません。震災のとき、液状化で泥に埋まったパークを1日でも早く復旧させたくて、ローカルみんなでどうすればいいか考え続けた日々が無駄になってしまうかもしれない。毎日のように練習に来ているキッズ達も毎日来ることは利用料が負担になって出来なくなるかもしれない。本当に申し訳なく、とても残念に思います。

公共パークは「公」のものです。特別な誰かが恩恵を受けたり、規則に沿って利用したい誰かが排除されることはあってはならない。全国的に見ると地元が中心になって作られた施設は、地元のドンみたいな人が好きに使ったり、優遇されたり、私営スクールなんかを勝手に占有して行ったりして、「公」としてのスタンスを逸脱してしまうケースもあります。舞浜スケートパークはそういう状況には少しもさせたくなくて、ゴミ捨てやルール遵守のためにローカルの秩序と抑止力だけ残し、どこから来た人でも自由に楽しく滑れるパークを目指しました。それがまさか有料化されることになるとは。僕もローカルも地元協会も全く考えたことはありませんでした。迂闊でした。

そしてなぜ、こんな長文を皆さんにこんな形でお伝えしたかといいますと、この事実を出来るだけ多くの人に知らせたいと考えています。これから2020年東京オリンピックに向けて、全国に沢山のスケートボードパークが整備されます。それ以後のパリ五輪やLA五輪でも競技として継続となれば、日本国内にさらに多くのインフラ整備が必要になってくることは想像に難くない。そこには沢山のローカルの想いがあり、地元のネットワークがあり、夢と希望が詰まっているはずです。浦安市運動公園 舞浜スケートボードパークで起こっているこの事実をみんなにお知らせすることでひとつの教訓にして頂き、これから少しでも利用者にとって魅力的なパークが増えていって欲しいと願っています。

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