すっかり春になりました。
僕が住むところでは桜も満開となりました。
家族や仲間と生きるこの世界では実に様々なことが起こります。
昨年の台風被害では自宅のすぐ近くにも避難勧告が出ましたし、
ここ数ヶ月はウィルスが広まって世の中に不安が広がってます。
僕らには何ができるのか、と自問自答しながら紆余曲折しておりますが、
僕らはスケートボーダーが滑り続けることを応援するために、今日も専門店を営んでおります。
そんな僕らの「インスタント」がおかげさまで25周年を迎えることになりました。
今年は色々と「スケートボードについて考えた」ってご提案を皆さんにお届けできればと思っております!
ここから下はちょっと重たい僕の「インスタント25年史B面」なんで、暗い話が嫌いな人は飛ばしてください。
長いしね。でも節目でもあるのでミニコラムとしてポストさせてください。
*スケートショップで生きていく
1995年の設立の時、僕と浅岡はキラキラ輝く目をしていたに違いありません。
実際に僕らには「スケートショップで生きていく」というとても大きな夢と希望がありました。
当時、僕と浅岡は浦安の某ランド裏にある某一流ホテルでルームサービスのウェイターとして働いていました。
24時間営業のルームサービスでは、スタッフは夕方の5時から翌朝の10時までって過酷なシフトで働き、
ファミリーの夕食時間、カップルの夜食時間、深夜の空腹対応、朝食の準備とデリバリー、朝食の後片付け、ってルーティンをこなしていました。
そこには実に様々な効率化があり、段取りがあり、一流ホテルのサービスがあり、CSの追求がありました。
某王国のご一行さまが来日して1フロア99室を貸し切ったこともありました。某有名スターが某ランドにお忍びで来ることもありました。
家族の記念日や初めて日本に来る外国の方やカップルの勝負日へのサービスも何百回と経験させていただきました。
僕らはどんなお客さまにもいかにCSをあげていくのか、ってミッションに真摯に取り組んでいました。
忙しい時には17時間座ることもできないこともありましたが、逆に暇な時もありました。
基本的に深夜食のオーダーにお応えできる1シェフ1ウェイターが稼働できさえすれば
深夜の時間帯はウェイターの休憩時間になることもあって、シーツを床に敷いて寝るヤツが居たり
トランプでギャンブルに興じる者も、自分で料理して食事するヤツもいました。
僕は寝てしまうと朝がツライので寝ずに同じく寝れないヤツと話していることが多く、
浅岡とはそういう時間に「ここをやめてどうやって生きていくか」を良く話していました。
僕は大学を卒業して就職した会社を辞めて出戻りバイト、浅岡は非正規雇用でかなりの年月が経ったタイミングだったのもあり、
僕がどうしてもやりたかった「スケートボードショップ経営」に資金的にも時間的にも協力してもらってインスタントができました。
設立してからの経緯は色々な雑誌やWEBにコラムやインタビューで掲載されているのでここでは深くは書きませんが、
そういうみんなが見る媒体でない、インスタントのBLOGだからこそお伝えできる部分をちょっと書きたいと思います。
スケートボードショップで大人が二人生活するのはとても大変なことでした。
浅岡の貯金と僕が借りた250万がスタートで、僕らはすぐにアメリカに買い付けに行きました。
1ドル80円くらいの超円高時代で、並行輸入が盛んに行われていく時代でした。
僕らが買い付けたアイテムをローカルスケーター達が買いに来てくれるのは嬉しくてたまらなかった。
ただ僕らは商売の素人だったので、在庫回転率もキャッシュフローも損益分岐点もハッキリと意識して経営をしていませんでした。
いい時もあれば悪い時もある、ってくらいでどんぶり勘定で続けていたスケートショップはすぐに窮地に陥ります。
売っても売っても何故だか資金は残りませんでした。やってもやっても成長を感じることができませんでした。
自転車操業も16インチの子供サイズがいつの間にか29インチの自転車になって、月末が来るのが怖くなってました。
開業時には「苦しくなったら二人で佐川かヤマトに転職して借金返そう」って笑って話したことが現実味を帯びてきました。
というかすでに浅岡は週に5日はアルバイトして2日店番、僕は週に5日店番して2日はMCや執筆、という生活になっていて、
自転車操業を支えるカードは重ねると350缶くらいの高さになっており、締め日と支払日のパズルに毎月悩んでおりました。
何度も何度も「もうやめよう」と浅岡と話しながらも、来店してくれるお客さんの顔を思い出して苦しい日々を過ごしました。
そこからどうやって抜け出すのか、と考え抜いて徹底的に勉強しました。セミナーに行くお金はないので、
古本でなるべく新しい発行日の経営書を買って毎日何冊も本を読みました。銀行や公庫にも何度も通って経営相談し続けて、
最終的には地道な努力が一番必要な事だったのに気がつくのに実に10年以上かかりました。
何度かの小さいブームや人気アイテムを扱う事で、徐々に数値も改善し、協力してくれる人も増えました。
お客さんだけでなく、メーカーや代理店の皆さんや世界中のスケートボーダーが応援してくれました。
店舗やスタッフや仲間達も増えて専門店としてのミッションにより幅が出せるようになりました。
25年間、スケートボード専門店として生きていることは本当に奇跡中の奇跡かと感謝しています。
普段からインスタントに通ってくれるローカル、全国からWEBをチェックしてくれる皆さん、だけでなく、
僕らの夢を一緒に追いかけてくれるインスタントの全スタッフに、メーカーや代理店の皆さん、
全てのご縁に支えられて今日も「スケートボード専門店」として看板を掲げることができるのです。
僕はよくコラムなどで書きますが、この幸せは「砂上の楼閣」であると心して日々を過ごしています。
今ある状況は当たり前ではなく、常に「すぐに壊れてしまう可能性があるもの」として大事に大切にしていくこと。
そしてそういう状況を過ごせることへの感謝を常にお客さま、スケートボーダーたちに伝えていくこと。
またスケートボーダー達が滑り続けることができる環境整備へ最大限に協力すること。
僕らができる事で日本のスケートボーダー達が次のステージに進めたら、僕らの存在意義があったのだと自覚できるのかもしれません。
まだまだやりたいことがいっぱいあります。僕はスケートショップとしてできることはまだまだあると思ってます。
世代や時代を越えて必要とされるスケートボード専門店になるべく、僕らにはたくさんのハードルがすでに見えています。
震災や自然災害、世界パンデミックなど、この時代に生まれて目の当たりにする現実は本当に厳しいことも多いです。
ただ僕は「Skateboaders Never Die」であることを心の底から信じています。
どんな世の中になったとしても、この世の中からスケートボーダーは居なくなることはありません。
自分自身で自分にハードルを立てて飛び越え続けるスケートボーダー達はこれからもハードルを飛び越え続けていくでしょう。
楽しいだけではありません。気持ちいいだけではありません。
スケートボードにはそれに取り憑かれたものしかわからない共通の魅力があるのです。
僕らはスケートボード専門店として、その「共通の魅力」をスケートボードをしたことがない人にいかに伝えていくのか、
をテーマとして「Why Don’t You Skate?」というスローガンを掲げて進んでいます。
日本語に直すのは得意ではありませんが「なんでスケボーしないの?」って意味でこのスローガンにした訳ではありません。
キリスト教を日本に持ち込んだ宣教師のように、地球は丸いんだって言い張った科学者のように、
僕らはスケートボード専門店としてその魅力を伝えるミッションを背負って前進しているつもりです。
転べば痛いスケートボードには「痛い」を超える魅力があります。
「危ない、うるさい、汚い」と揶揄されるスケートボーダーたちはそういう視点とは違う世界を見ています。
自分で立てた高いハードルを越えた瞬間の喜びを日々味わえる幸せは言葉で説明することは難しいくらいです。
この25年間、コラムやBLOGやSNSで何度も何度もその魅力を伝えようと努力して来ましたが、
まだ一度も全てをお伝えできた、という実感を持てたことはありません。
いつか僕の次のミッションが見えるまではこのインスタント号の船長でいたいと思ってます。
またいつかその想いを持ったたくさんの船長をこの広いスケートシーンに送り出したいと思ってます。
小さいスケートショップはいつ無くなっちゃうかわかりませんが、
僕らがここでこれをやり続けることができる限り、僕らのミッションを追いかけ続けます。
今年は25周年で色々なことを考えております。
ぜひ楽しみにして頂き、今後ともインスタントをよろしくお願い致します。
インスタント スケートボード
代表 本間章郎
●25th Anniversary Movie -instants 25TH- Teaser 1
創業25周年を迎えて、15年ぶりとなるフルレングスビデオを現在制作しております!そして2020年4月1日の本日、新シーズンの幕開けと共に第一弾ティーザーを公開しました。こちらは新しくリニューアルしたインスタントのホームページのTOPからもご覧いただけます。ベテランから若手ライダーまで総出演で完成に向けて現在ラストスパート中でございます。第二弾ティーザーも順次公開予定ですので楽しみにお待ち下さい!!WHY DON’T YOU SKATE?
●インスタント25周年記念アイテムの第一弾!
インスタントは今年で創業から四世紀半となる25周年を迎えました。本日第一弾オリジナルアイテムを発売いたします!インスタントのアニバーサリーデザインを幾多も手掛けてきた7STARSデザインによるスペシャルバージョンのロゴをあしらったTシャツを2カラー作りました。今後も次々と発表される予定の25thアニバーサリースペシャルプロダクトやインフォメーションにも大注目です!
3,000+tax
カラー:black/green
カラー:white/red
●ハウツースケートボウ道&元祖デッキ拝見
新シーズンの一発目のハウツースケートボウ道は吉岡 賢人のストレートノーコンプライです。
このトリックは省略してストレートノーコンとも呼ばれていて、ケントの十八番トリックでもあります。高いレッジでやるストレートノーコンからのフロントサイド5-0グラインドは超絶品。「25th Anniversary Movie」でも拝めるかも??
ストレートノーコンを練習中の方は今回のハウツーは必見ですよ!!
ケントのセッティングも紹介しちゃいます!
「元祖デッキ拝見!」
ライダー:吉岡 賢人
デッキ:EVISEN 8.5インチ(https://instantsb.jp/Page/GOODSDETAIL-23726)
トラック:VENTURE V-RIGHT サイズ5.8(https://instantsb.jp/Page/GOODSDETAIL-2147)
ウィール:BONES V5 硬さ99aサイズ54mm(https://instantsb.jp/Page/GOODSDETAIL-24439)
ベアリング:BONES REDS BIG BALL BEARINGS(https://instantsb.jp/Page/GOODSDETAIL-23442)
ハウツースケートボウ道で完璧なストレイトノーコンを解説してくれたケントのデッキを拝見!デッキ、トラック、ウィールはスポンサードを受けているEVISEN、VENTURE、BONESで、ここ1、2年間はこのサイズ感がしっくりきてるみたいです。大きめのウィールはここ最近のトレンドでストリートで滑るヤング世代は54mm~56mmあたりの使用率が高め。この辺のサイズだとウォールやトランジションなど幅広く対応できて楽しそうです。ケントと初めて出会ったのは彼が高校生になって、地元の愛媛から上京してきた頃で身長も今より低く、ひたすら誰よりもスケートボードに夢中な少年って感じでした。そんな彼も月日が経ち、今や成人を迎えてすっかり大人になりました!スケーターとして映像や雑誌で露出しながら、自分のブランド”KNTHW“を立ち上げて精力的にプロモーションしたりと常に目が離せません。2020年も吉岡賢人に要注目です!!
●春のセールデッキ祭り開催!
インスタント全店でセールデッキを大増量中!!