お知らせイベントスケートボード

スケートボードパークを増やしましょう

気がつけば9月です。

先日、東京五輪でのスケートボードの採用が正式に発表されました。色々な人の色々な想い、もここまで沢山のご意見を伺いました。個人的に思うのは、「東京ではストリートとパークと競技が2種類あるらしい」とか「開催国なので各種目男女1名は出場できる」とか、噂というか情報というか、色々な話を聞きますが、世界の舞台にあがる選手たちはどこで練習すればいいのでしょうか?世界レベルに対応できる練習場所はどこにあるのでしょうか?僕が知る限り現時点ではありません。一部分のトリックやスタイルに対応できる場所はありますが、セクション構成や立地や利便性に関してはまだまだ世界の状況には大きく遅れをとっているのが現状です。

で、考えました。今、一番必要なことは「滑る場所」を増やすことなのではないか、と。スケートパークは増えています。今はオリンピック効果もあり、プライベートパークが増えていきます。街外れの倉庫や親父の土地にプレハブ建てて、室内パークを作る人が増えています。いいことです。パブリックパークはオリンピック種目になって、はじめて「スケートボード」というものが世の中にあることを知った地域行政の担当者が、まず情報を集め、地元の状況や規模感や予算を吟味していく。パブリックパークが増えてくるのはここから2~3年後になるでしょう。まあ、地元に出来ればいいですよね。ローカルの好みにあったセクション構成。おっと。でもそれは「その時の」ローカル達の好みではありませんか?パブリックパークは耐用年数10年くらいは見てきてます。10年経ったらあなたはいくつ?今は1日8時間スケートできるかもしませんが、進学や卒業、就職をして、転勤や結婚や子育てが始まるかもしれません。10年ってそういう長い時間です。その長い時間、ローカル達の顔ブレは変わるのが当然で、スタイルやセクションの好みもまた移り変わって行くものなのです。でも、やっぱりパーク設立で一番大事なのは「ローカルが喜ぶパーク」であること。そこがスタート地点です。そこに色々なファクターを織り込んで、将来的にもシーンの進化にも対応できる内容だともっといいかもしれません。

なんだかお伝えしたいことが複雑になってきてしまいました。シンプルに言えば「滑る場所を増やしましょう」ということです。自分でコストや場所を負担することは普通の人には無理なこと。できればパブリックで素敵なパークを作ってもらいたい。そのための第一歩はなにかわかりますか?地元の市町村に「スケートボードをやっている人が練習する場所がなくて困っています」という情報をお伝えするのです。公園緑地課やスポーツ振興課に直接出向いても、なかなか先には進みません。まずは各市町村のトップにそういう状況があることを知ってもらうこと。方法は色々あるかと思います。市役所に「市長への手紙」ってポストが設置されているところはかなり多い。また、HPに「市長へのメール」など直接声をお届けできる制度がある市町村もあるでしょう。各市町村でシステムが少し違うこともあるようです。せっかく署名を集めても、「書式が違う」とか「提出書式が違います」とか平気で言うところもあるのです。努力が無駄にならないように、事前に地元にあった方法を考えるのです。言葉使いや態度も必要なファクターです。へりくだる必要も威張る必要もありません。困っている状況を真摯にお伝えして一緒に解決策を探す仲間になってもらえれば一番いいかもしれません。

そこでちょっと僕からの提案。下記の請願書は実際に浦安市に提出し、舞浜スケートパークに設立に貢献した内容です。まずはこれをコピペして、書類として保存しておいてください。請願書や嘆願書や陳情書ってそれぞれ扱いが違うのです。知ってましたか。こういうキャプションを持っていればいつか必ず役に立つ。署名の部分は集めても集めなくてもいいでしょう。必要ないキャプションはどんどん修正して、ローカルにあった内容にしてください。

*以下コピペして保存

スケートボード練習場(アクションスポーツ場)の設置を求める請願書

浦安市議会議長殿

請願理由

先日、2020年の東京五輪で正式採用が決まりましたスケートボードですが、僕らが住む浦安市でもスケートボード愛好者が続々と増えてきています。全国的にはおよそ100万人の愛好者がいるといわれているこのスポーツは、ここ数年インラインスケート、BMXなどの「アクションスポーツ」の一種として若者を中心に人気が高まり、その愛好者数も飛躍的に急増中であります。発祥の地のアメリカではほぼ全ての州に愛好者の為のスケートボードパークが設置され、学校の敷地に青少年の育成の為に設置しているところもあります。また公立の公園内にも大小さまざまな規模の設備があり、子供から大人まで様々な年齢の愛好者たちの交流の場となっております。また、すでに職業として成立しているプロスケートボーダーも人数が増え、600人を超える選手がプロスケートボーダーとして生活している環境でもあります。子供から大人まで健全なスポーツとして認知され、小学生を対象とした「好きなスポーツ」の人気ランキングも野球・バスケットボールについで3位に付ける人気スポーツとなっております。さて、日本では東京都、富山県、神奈川県、岐阜県、山形県、京都府、など一部の場所で公共施設としてのスケートボードパークが設置されつつありますが、その規模や数において、急増するスケートボード愛好者にとても対応できている状況ではありません。浦安市にも沢山の愛好者がいるのですが、練習する場所が無く、しかたなく公園内や歩道で練習する光景も多々見かけられます。すでに何年もこの状況は変わらないのですが、どこで練習しようとしても「歩行の邪魔になる」、「音がうるさい」などと言われてのびのびと練習するどころか、追い出されてしまうことが多いのも現状です。これからも増えていくだろうと思われる愛好者に対する対応と、すでに何年も練習を重ねプロライダーになる目標があるような愛好者達、親子でスケートボードを楽しむ愛好者、などが堂々と練習できる環境の整備を願いつつ、今回請願書を提出することに致しました。 (同時に地元の有志の愛好者達が集めました署名も添付いたします。)スポーツを通じての青少年育成、地元住民のコミュニケーションの場、としての観点からもスケートボード練習場の設置を要望いたします。

1、子供から大人まで自由にのびのびとスケートボードを練習できる場所を浦安市内に作ってください。

2、設備などは様々な種類・形状がありますので、愛好者の意見を取り入れてください。

3、夜学や仕事をしながら練習をしている人も多いので夜間でも練習できる環境にご配慮ください。

4、設備の設置や、設置後の環境において予想されるべき問題点を事前に検討し、利用者の観点から見て魅力的な場所にしてください。

5、愛好者にとっては切実で緊急な要望でもありますので、早急に対応してください。

アクティブスポーツ場を作る会  

代表 ●●●●  浦安市北栄●-●-●

*コピペここまで。

もちろん市の名前や個人名、団体名などはローカルテイストに修正してください。この書類は市の議会の議長宛に作りました。議会は市民の意見を行政に伝える役目があるのです。内容は各ローカルに合う形に変えてください。そして提出のポイントは、

●地元に住むスケートボードをする大人が提出すること
●仲間を集めて「~~市スケートボード協会」などの団体を作り、代表を決めてしっかり名前を書いて提出すること
●提出する先や、書式、方法などは市役所に問い合わせして行動が無駄にならないように調べること
●提出した後は、そのままにせず、担当部署に「あの請願はどうなりましたか?」とあきらめずに何度も聞くこと
●必要があれば何度でも提出し、その度ごとに経過を確認すること

なんかいくつかのポイントがありますが、ひとつだけ覚えておいて欲しいのは「パークができるまであきらめないこと」です。諦めてしまう一番多いパターンは「予算がない」、「場所がない」、「需要がない」という断られ方ですが、「あーそーですか」って思ってしまったらそこで終了です。市の決算書とか見ちゃいましょうよ。スケートボードパークより優先順位が高いものにどういうものがあるのか確認しましょう。場所がないって言われたら地元を色々歩きましょうよ。「あそこなんてどうですか?」って何度もオファーしてみましょうよ。「需要がない」のは確実に担当者のスキル不足。普通に考えて五輪競技にはじめて採用されたスケートボードに需要がない訳がない。実際に全国のスケートスクールはかなり活況になってきてます。これからスケートボードをやってみたい、という需要は急激に増えています。そういう流れが見えない担当者なら、逆に資料を集めて教えてあげるのがいいかもしれません。最近ではネットで色々な情報が取り出せるし、過去からの変遷なども調べればすぐにわかります。

2020東京五輪のインフォメーションが増えてくるにつれて、スケートボードの認知度はどんどん上がってくるかと思います。新しい競技に理解ある姿勢はすなわち「若者に理解ある行政」というイメージを作れます。実際にパークが増えればさらにシーンが活性化し、日本全体のレベルがあがるのです。

ここで注意して欲しいのは、現在いくつかのパークがあることもあり、市町村によってはどこかのパークの図面を取り寄せて、同じ業者を使って同じようなパークを作ろうとするところがあります。これ一番残念なパターンです。地元愛好者の意見を聞かず、自分勝手に理解あるポーズをして、実際には少しもローカルシーンに貢献していない。「パークができたからあそこで練習しろ」とスポットから追い出されるパターンはこういうパークが多いのです。せっかくみんなが払った税金ですごく必要なものを作れるチャンスなのにね。

なので、実際に市町村の担当者から「どういうパークが欲しいのか」と聞かれた方はご相談ください。無理して全部自分たちで進めると落とし穴に落ちちゃうこともあるのです。ローカルのヒヤリングから、セクション構成を考え、セクション間の間隔とか、適切な高さやR、地質調査や側溝のことや照明、デザインやレイアウトが決まれば内容にあった積算をして、予算を議会に通して、入札があって期限が決まって着工され、完成する前に工事が適切に行われているか、図面通りに作られているか、などチェックしていく必要もあるのです。そんなの全てローカルライダーたちで適切に進んでいるか確認できますか?熱意ある行政担当者であれば、ローカルの意見をできるだけ取り入れようとしてくれるかもしれません。でも行政は基本的にはスケートボウ道はわからない。またローカル達も公共施設がどのように建設されるかのステップを知らない。お互い全力を尽くしてもいいパークが出来るとは限らないのです。落とし穴には気をつけてくださいね。また「よっしゃ、若者のためにスケートパークを作ってやるぜ」って気概ある市町村のご担当者もお気軽にご相談ください。パークができるまでにはまだまだ山盛りのステップがあるのですが、知らなければ見逃してしまうことばかりです。

あら、今回はちょっと思いついてガガーっと書いてしまいました。画像は一枚もありません。

みんなで全国にスケートパークを増やしましょう。そしてずっと楽しく滑りましょう。

*** 2017.05に続きをこちらに書きましたので、チェックしてみてください ***