そろそろ東京でも桜が満開になりますね。ちょっと前までは小学校の入学式が桜が満開になるタイミングだったのに、ここ最近は入学式には葉桜になっていることが増えました。いつも同じじゃない、すべてのことは変化する。この諸行無常の世の中で、インスタントは皆さまのおかげさまで昨年4月から30周年祭を続けてまいりました。たくさんのブランド、アーティスト、スケートボーダーとの協業を通して、僕のスケートボードに対する気持ちも常に変化していることに気がつきました。春は大きなフェーズチェンジの季節です。グレーと白の冬から色鮮やかに、明るく変化する一年の中でも一番大きなフェーズチェンジのタイミング。そうです。これまで走り続けてきたインスタント30周年祭もまもなくフェーズチェンジのタイミングとなりました。
15年前、僕らはこの同じ時期に15周年を迎え、スケートボードカルチャーとアートや音楽、ファッションとの強い繋がりを表現したくて、ご縁がありましたアーティストやブランド、スケートボーダーたちと様々なコラボレーションをさせてもらいました。僕の若い頃の話は最近はあまりしなくなりましたが、当時のスケートボード、スケートボーダーに対するイメージと、インスタント創業時の1995年、そして15周年を迎えた2010年ではかなりの違いを感じます。当時の僕らのフラッシュアイデアに快くお付き合い頂き、アートがいかにスケートボードなのか、スケートボードがいかにアートなのか、を一緒に考え表現してくれたアーティストのひとりがmhakでありました。
世の中は常に変化を続けています。良い時も悪い時もあり、インフレやデフレがあり、平和や戦争が波のように繰り返されます。そうやって変化を続ける波の中で、スケートボードに乗るものしか、スケートボードが好きな人しかわからない共感を確認し合い、今日も僕らスケートボーダーはプッシュし続けています。ただ好きなだけでスケートボードを続けることは決して簡単なことではありません。そこにはその人にしかわからない果てしない魅力と、スケートボーダー同士だけが握り合える感覚、大人になっても挑戦し道路に叩きつけられる感触、などが脳に焼き付いて、やめるとかやめないではないスケートボードの定規で世の中をみるスケボー人間になってしまった自分に気がつきます。
誰でも時が経てば環境も生活も変わります。忙しくて時間がない、疲れていて休みたい、足が痛い、腰が痛い、彼女との時間が、親の具合が、子供と出かける時間が、なんて「滑れない理由」がどんどん増えていくことも自然な流れなのかもしれません。気が付けばウィールは飴色になり、ブッシュは割れ、デッキはスカスカになって、しまいにはシューズのソールが加水分解でパコっと外れてしまいます。ただ、いつのまにかスケートボードに遊んでもらえない時間が増えてしまったとしても、スケートボードはいつもあなたを待っています。あの感覚、この感触、また乗ればすぐに身体が思い出し、以前より思う通りに身体は動くことがないですが、「あの」魅力はたぶん死んでも忘れません。デッキを削り、ウィールをすり減らし、身体も削って身につけたスキルやセンスはそうそう簡単には忘れません。だから大丈夫。あなたは今も立派なスケートボーダーです。いつでも扉は開いています。
ただあの頃とは社会も街も変化しています。オリンピックやカルチャー論争を経て、スケートボードはより広く、より深く、より多様な側面を持ちました。天才小学生や鬼攻めオヤジ、激うまギャルなどスケートボードの多様性は広がり続け、またさらに「あの」感覚はどんどん世界の幅広い世代に広がっています。憧れのプロライダーがいない天才キッズは何を目指すのか、仕事も辞めてフロントスミスに生涯を捧げるおじさんはどこに向かうのか、昔は色々心配し、悩んだり困ったりしましたが、今ははっきりわかります。僕らは今を生きている。明日が来るかは誰もわからない。だったらどうしよう、それならこうしよう、色々な選択肢の中で自分と向き合い出した答えが正解になるように生きていこう。不安を抱えて誤魔化しながら日々を過ごすのではなく、自分が選んだ道を正解にするトライを続けていこう。自分で考え、自分で決めて、自分を信じて進む道を正解にするための挑戦を続ける生き方こそが僕はスケートボウ道なのかと思っています。
おっとちょっとアツくなりすぎました。完全に脱線してしまいました。
mhakの個展で会うたびにトライを続ける彼に憧れます。自分が出した答えを正解にする。あきらめずにトライを続ける、心折れずにテールを蹴り続ける、たとえ時間がかかってもメイクできればそれが正解。僕はアーティストのmhakからスケートボードを学びました。そしてこの大きなフェーズチェンジの30周年の締めくくりに、このコラボレーションをご紹介できることを本当に嬉しく思っています。僕らインスタントは30周年を迎えましたが、まだまだこの不安定なマーケットでトライを続ける挑戦者だと思っています。急激に変化するシーンの中で、街中を全力プッシュするように瞬時の判断で終わらぬ選択を続けていくという決意を込めています。このmhakカモを身にまといこのスケートシーンを共にサバイブしていきたい。そういう思いを込めて皆さんにこのコラボレーションをご紹介したいと思っています。映像クリエーターのサトシやRVCA五十嵐くん、他にもたくさんの仲間に協力して頂きました。心から感謝しております。また次のフェーズでもガッチリ遊びましょう。
また春が来て新しいフェーズがはじまります。今後ともインスタントをご贔屓頂けますと幸いです。








