インスタントをご利用の皆さま、メーカーや代理店の皆さま、ブランドや各地のライダーやinstantsの皆さまのおかげさまで今年も年末を迎えることができました。スタッフ一同、心から感謝しております。今年も本当にありがとうございました。
今年はインスタント30周年の大きな節目を迎え、このタイミングでロンチするために何年もかけて撮影してきた「MARBLE」を30周年イベントの場でお披露目できたこと、本当にうれしく思っています。スケートボーダーはみんな映像の大切さは身に沁みてお分かりかと思いますが、僕らも何年もかけて撮影してきたこの作品をとても誇らしく嬉しく思っています。まだ観てない方はぜひYouTubeで「instant MARBLE」と検索の上、じっくりとご覧ください。思い返せばこの30周年はBLOCKHEAD MORTORSとのコラボから始まり、沢山の仲間たちとの協業や、10代のヤングガンたちとフローチームを立ち上げて新しいトライもはじめたり、木更津アウトレットに初のスケートパークが付いたアウトレットストアをオープンするという、いつもと違ったスペシャルな感じで進むことができました。いつも本当に「ご縁」に感謝し、明るく、楽しく、進めてきた周年でした。

また、僕らが根ざしているこのスケートボードマーケットに目を向けてみると、今年は本当に激動の一年でした。今年もアメリカ、フランス、台湾、コペンハーゲン、日本の北から南まで、各地のスケートシーンに触れる機会があり、行く先々でスケートショップやスケートパーク、スポットにイベント会場などで様々な人と出会い、話し、動き回る中で、世界中のスケートシーンが変わる大きな波が目前に迫っている切迫感、緊張感、恐怖感を感じました。業界の人は感じていることかと思いますが、コロナからの東京五輪でフェーズチェンジが起こり、空前のスケートボードブームからの過剰生産を経て、世界的なインフレと特に日本は為替の変動が重なり合って、日本のスケートボードマーケットは大きな波を上がったり下がったりして今はとても静かな「凪」の中にいます。僕の30年のショップ経営の経験の中ではじめての事態で、常にどのように対応するのかその場で判断し、トライを続け、信じるゴールに向かって長いトンネルを突き進むような感触に飲み込まれていました。
そんなバタバタでガチャガチャな一年を走り抜けてみて、個人的に感じているのは世界は「陰と陽」で出来ているってことでした。SとN、光と影、プラスとマイナス、ポジティブとネガティブ、なんでもいいですが、常に両極のバランスでこの世の中は成立していることを今更ながら実感しました。そしてそれがタイムラインの上で長短様々なサイクルで絡まりながらねじれていく。それが諸行無常であり、DNAであり因縁果報なのか、と。ハイボール8杯目くらいで結局なにが言いたいのかわからなくなるいつものパターンでまた次の朝が来る日々を駆け抜けた一年でもありました。
おっと話が逸れました。スケートボードの話に戻りましょう。このキャプションを書いている時にちょうどS.O.T.Y.の発表がされましたが、その少し前のある日の帰り道にコジローとトウアと山手トンネルを走りながら、誰がSOTYかをそれぞれの主観で話し合いました。コジローはトム・シャーのノーハンド祭りとストリートもイケるのよ的なアプローチにグッと来て推しとしてました。僕は多くの皆さんと同じく完全にクリス・ジョスリンのエルトロのトレにやられました。なぜだかあれを観ていて泣きました。もちろん他のエントリーされた皆さんもキラキラ輝くスキルとスタイルで誰が栄冠を掴んでも全く異存はありませんが、僕はあのトレはたぶん一生忘れない。トニー・ホークのXGAME1999の900と同じくらいのインパクトとストーリーがありました。
そしてスケートライフを突き進むスケートボーダーの皆さんには必ずそういう忘れられないひとつのメイクやパートがあるはずです。スケートボードを始めた頃に何度も何度もこすったハウツーオーリーかもしれません、憧れのライダーの本気パートかもしれません。世界で名前が知れ渡っているプロライダーは誰でも自分のシグニチャートリックやメインパートがあるはずです。僕は先のエルトロのトレ以外にも沢山のそういう推しトリックや推しパートがあります。でも教えません。なぜだかなんか恥ずかしいから。スケートボードは本当に深い挑戦の歴史とカルチャーの上に成立しています。それをどうやって伝えていくのかもスケートショップである僕らのひとつのミッションだと思っています。
インスタントは創立30年を迎えました。instantsには30年前には生まれていなかったスタッフもライダーもたくさん居ます。でもライダーやスタッフも、日本中、世界中のスケートボーダーも、なんかみんな繋がっている感じがするし出たり入ったりはあるけれどやっぱりみんなでスケートボウ道を一緒に歩き続けたいと思っています。今年はやりませんでしたが僕は時々「instants」というTシャツを作ったりタグを使ったりしています。それは単なるチームとしての意味合いだけではなく、「仲間」「家族」と感じることもあるし共に前進するために一緒に闘う戦友のような気持ちを表現しています。まあ僕が勝手に一方的に想っているだけで完全な片思いパターンもあるかと思いますが、まだ誰にも文句は言われていないのでこれからも勝手にinstant SQUADとして片思いを続けます。そうやって惚れることができる仲間たちが周りにいることを今年は改めて感じさせてもらいました。チームには10歳のユウキから52ちゃいのヒゴビシャスまで実に42年の深みがあり、沢山のスタイル、沢山の人生、沢山の魅力が詰まっています。今回のMARBLEでお伝えしきれなかったinstantsの魅力はまた今後もお披露目できるチャンスを狙い続けて行きたいと考えています。
そしてすっかりこの年末で30周年が終わるような書き方をしちゃいましたが、実はインスタント30周年は創立記念日の4/1の前日まで続きます。これからもご縁を頂きました仲間たちとの周年企画やロンチを楽しみにしてください。「あっと驚く」って言うよりも「ニヤっとしちゃう」的なプランがいくつか予定されています。そして僕らのスケートボード愛と仲間へのエールは周年が終わっても前に進む限り止まることはありません。
年の瀬にこんな長いキャプションを読んでくれてありがとうございます。そして今年もお世話になりました。渋谷、お台場、木更津の各店は31日も営業しておりますし、お台場、木更津の各店は元旦からの営業です。新年からもインスタント30周年は続きますし、その後も僕らのスケートボウ道は続きます。皆さんとのご縁に感謝し、また新しいご縁を大切に進み続けたいと想っております。引き続きインスタントをご愛顧頂けますよう心からお願い申し上げます。
皆さんにとって素晴らしい2026年になりますようスタッフ一同願っております。
インスタント代表
本間章郎
