三寒四温。
寒い日も確かにありますが、確実に春に向かっております。今年は雪山がすごい雪でスノー好きの人たちは楽しそうですね。これから春に近くなってくると頻出する雪崩には気をつけて。先日、所要で行ったショッピングセンターに楽器屋があったのでプラリしました。高校生の時なんかは渋谷、御茶ノ水、池袋とかの楽器屋行くと確実に一日中プラリしてました。あれは試奏するの勇気居るよね。でも結構昔はイケ方向でしたのでガンガン試奏してましたね。僕はギターなんですが、試奏で一番楽しいのは色んなアンプを使えること。マーシャル50wと100wを使分けたりとかTWINリバーブとかBoogieとかVOXのいい奴とか家じゃ絶対鳴らせないアンプを大き目の音で鳴らせる幸せ。あの頃の勇気が欲しい。家から一番近所には千歳烏山に三鷹楽器ってショップがあって、大きいショップじゃないけどランナップが充実していて中学生の頃に通った思い出が。そこで色んなギター持たせてもらってGIBSONとFENDERの違いをどちらも慣れるまで弾いて吟味しました。ちなみに僕は完全GIBSON派。オールドのごっついネックよりも中期以降のちょっと薄めな方が好き。高校生の時に初アメリカ旅行で買ってきたチェリーサンバーストのSTANDARDもペグを前のオーナーのビリー・スクワイヤーがグローバーのオートに変えていて、後ろのピックアップをディマジオにしてあった。「日本からギター買いに来た」って行ったら600ドルくらいにおまけしてくれてかなりお買い得だったけど、当時は1ドル=242円って時だったから家に国際電話してカンパしてもらってなんとか買えた。その後、メタル好きから太い音が好きでEMGにしたかったけど電池面倒なのとビジュアルが黒箱にビビッてずっとディマジオ。ブリッジを新品にしたときにはかなりサスティーンが伸びて驚いたのよね。おっと、完全に脱線しておりますが、なにが言いたいかと言いますと、ショップによって全然違うのよね。今回プラリしたのはモールの楽器屋さんだったんだけど、グッと来るギターが一本もない。見事に一本もないのよ。アンプも音が聞きたくなるのがひとつもない。ギターよりもウクレレとか見ちゃってからね。それでハッとしました。僕らのショップもそうじゃダメだね。やっぱり本当にスケートボードが好きな人がグッと来るものを並べていたい。自分の好みやセンスもモチロン大事ではありますが、まずはスケート好きがグッと来るものを。
こちらは浦安ストアにてご購入頂きましたクルーズセットであります。これがまたご主人から奥さまへのプレゼント。さすがだ。もうこの時点でかなりグッと来ております。セッティングの内容もまた素敵でしたのでちょっと拝見させていただきました。ここ最近は本当にスケートボードが社会に浸透してきている実感があります。尖がった不良の遊びという側面だけでなく、乗り手によって実に様々な側面を持てるようなモノになりました。家に居ても外からプッシュの音が聞こえてきて窓を開けると本当にプッシュしてたりとか、宅配便だったってオチが最近はなくなってきました。関東近県だけじゃなく全国的にも本格的スケートボードパークがオープンし、ローカルレベルで色々なパークを選べる時代にそろそろ突入してくることでしょう。これからさらに身近になるスケートボード。どうなっていくか楽しみで楽しみで。おっと、また脱線してました。デッキはclicheのクルーズデッキです。ルーカス10周年記念デッキ。マット・アービン素敵。このデッキは改めてみるとサイズ感がいいですね。パーツがチョイスできる幅が広い。
デッキは7.9インチ幅なんですが、一番太い部分がそのサイズなので全体的にはシュッとした印象があります。またホイールベースも13.5インチくらいですので普通にテールを蹴りたい乗り手にも応えてくれる。さらにテールにかけてのラインが適度のサイズになっていて、トラック幅でACEで言う00、11、22、あたりをウィールに合わせてチョイスすることができるのです。いいね。かなりテダレなデッキ。そこに組み合わせていくのは「白」を基調としたパーツたち。でもスケート魂は忘れていないぞ、とINDEPENDENTの129に、重過ぎず、速過ぎず、と考えてBONESの54mmを合わせました。ベアリングはNINJA7でしたか。全体のビジュアルがなんて清楚なんでしょうか。ちょっと乗るのもったいない位の完成度ですが、やっぱりスケートボードは乗って何ぼの商売です。いや、商売じゃないか。こういうセッティングで女性がプッシュする姿が街に溶け込む社会にはやくなって欲しいもんです。
そして先日、サトルとショウタとFESNのオフィスで開催されてたLIBE展示会に行ってきました。初めてだったのでかなりドキドキしましたがすっげー楽しかったっす。FESNのオフィスは中野の線路沿いのオフィスビルなんですが、ワンフロアすべてFESNなんで、エレベーターが開くともうこの世界地図がどどーんとお迎えしてくれます。かなりの迫力でしばらく見入っちゃいました。あとね、オフィスが広いのよ。どれくらい?100平米くらいあるかね。社長室と事務室とミーティングエリアとサンプルルームって余裕がある作りになってる。ランプ置けそう。
そして来期の新作を色々とチェックさせていただきましたよ。素敵なアイテムいっぱい。個人的にはトビシャツがインパクト強かったっす。ひととおりチェックしてからこのFESN神社で森田と打ち合わせしたのですが、これがまた楽しかったね。実は森田とはずっと昔に新宿ジャブジャブで何度も何度も何度も会ってるので知っていたのですが、その後、高井戸やMAPS竹ノ塚で見かけるけどそんなに色んな話しをしたこと無かったの。高井戸のランプの話しから一気に扉が開いて森田が今までどうして来たかを全部教えてくれました。全部の話しが興味深かったけど、特に9.11にNYC滞在中に遭遇して、そこで何を考えてどうしようと思ったか、そして帰国後にどういう風に動いてきたか、って言うのがすごかった。あればドキュメンタリー映画にして後世に伝えるべきだな。自伝書くより森田は映像。そしてなんで鳥居なのか、なんで坂本さんなのか、とLIBEの意味合いについてもね。気がついたら二時間経ってました。映画より断然面白かったね。
そしてデッキの話しになって持ってきてくれた森田のデッキ。これはちょっとなにかを感じるセッティング。映像にもアパレルにもそれだけの思いがあって夢いっぱいでこだわり満載なので、スケートボードに一家訓がない訳が無い。見せてもらうにつれてまた奥深いスケートボウ道に出会った気がしました。まずデッキ。こちらはバンブーを使った5プライのブランクデッキ。帰国後はかなりこのデッキを乗り潰しているそうです。テールの弾きがかなり使い込んでもなくならない、って言うのが理由みたいね。どこまで乗るかはまた後ほど。森田はデッキを自分で作ってみたそうですよ。家具用のプレス機でモウルド作ってね。またスケート変態見つけた。グッと来たのは桜で作ったデッキの話し。もうボロボロになった原版も保管してるんですが、やっぱり僕の予想の感じの壊れ方。デッキは通常メイプルウッドを使うのですが、大事なのは原料とその状態。簡単に言うとデッキに含まれる水分量で大分変わってきちゃうのね。水分量が少ないとホビーショップで売ってるバルサ板みたいに軽量だけどモロいプライに、反対に水分量が多いとカキカキに強いけどかなり重たいデッキになるの。大手のファクトリーはもうプライを作るところからコンピューター制御のHOTBOXでこだわりぬいてますからね。あとプライだけじゃなくてグルーって言われるボンドも大事。でもデッキについて全部書くと超長くなるのでこの辺で。
で、森田のセッティングで一番ググーッと来たのはね、このトラックですよ。良く見てね。前にZ-ROLLER、後ろがZトラックでありますよ。これ僕も幅が狭くなる前のヤツいっぱい使った。ダイコンと鴨川通いしてたのもあって、デッキもトラックもZをいっぱい使ったよ。好きなセッティングだったのはZ-PIGにZ-SKINつけてZ-ROLLERに58mmの黒いウィールを合わせてたセッティング。あれでガムチョップからトラックはめるのが初めて出来た。かなりアガッて翌週も行った鴨川でガムチョップでハングしてアバラ2本折りました。おっとと、また脱線。この森田が使っているZのトラックはとっくに生産終了となっております。すでに超使い込まれているので「このトラック折れちゃったら悲しいなあ」って思っていたらさすがの変態でありました。詳しくはのちほど。で、前に装着されているZ-ROLLERはローラーの名のとおりハンガーがクルクル回るのです。なので昔は「グラインドなのに削って無いじゃん」なんて言われたものですが、そのスラッピーの最強っぷりには誰も敵いませんでした。森田も相当なスラッピーマニアだと思います。実際ジャブの上りカーブをゴリゴリしてましたからね。個人的な意見ですがなんで前だけローラーにしているかというと、多分ROLLERはもう残り少なくなっている。そしてローラーで一番効果を体感できるのがスラッピーの前トラックが当たる瞬間なのですね。普通のトラックがゴリッと止まってしまうところをガーッと流せる。後ろのトラックは乗っちゃえば削れますので特にローラーじゃなくても逆にゴリゴリ感があって楽しい。これだけ貴重なトラックならばそうやって大事に使いきって行くのがいいよね。さすがだ。なんだか書きたいこといっぱいだけど今回はこの辺で。ちなみにウィールはSTRUSHの自身のシグニチャー、そしてベアリングはBONESのSWISSラビリンス。また遊びに行きたいわ。
そして「見せたいもんがあるんだ」って持ってきてくれたのがビデオカメラのアルミケース。なんか機材かと思ったら、なんと中にあったのはZトラックでありました。しかもベースプレート、ハンガー、そしてROLLERとキッチリ綺麗に並んでましたよ。これね、わかるひと見ると本当にすごい光景。このROLLERは幅が細くなった後期型なんだけど、初期型はちょっとハードに攻めるとすぐにローラーが回らなくなるの。回らないローラーに意味はないってことで、初期型は好き嫌い多かった気がします。でもね、この後期型は見事だよ。使用感は森田に聞いてみて。超詳しく教えてくれるから。多分。ここ最近僕はINDYの109を探し求めてて千葉の兄貴ウッチーに見つけていただきましたが、やっぱり好きなもの、気に入っているもの、は自分で大事に保管してた方がいいかもね。そのほうが確実。ずいぶんと断捨離しちゃいましたが、また身の回りのものをいっかいチェックしてみたくなりました。
そしてひっぱり出してくれたのはこのデッキ達。なんと9.11のアメリカから帰国して乗り潰したデッキ達。良く見てね。もう全部テールが四角くなってる。「自分でデッキを作ってからデッキは最後まで使うようにしてる」って言ってました。「最後」って自分のチョイスがすごく高いところにあるのね。完全にテールが四角くなってノーズも歯かけになって、それでも乗り続ける。SITAMATIの追い撮りデッキに見たスケートボウ道をまたここで発見しました。さらに変態なのが、乗り終わったデッキのトラック部分に「2011.08.01~2011.●●.●●」みたいに乗っていた期間が書いてある。すべてがスケートライフの蓄積になってるね。さすがだ。
僕が言う「スケート変態」は誉め言葉だからね。最高の。