スケートボードを始めたきっかけはなんでしたか?
大抵のスケーターは最初の出会いを覚えていると思います。
昔トランスワールドでファーストラブっていうタイトルのDVDが出たことがありますが、
まさにスケートボードとの出会いは初恋みたいなものです。
自分の最初の出会いは恋に発展しませんでしたが…w
小学校低学年の時、井草八幡宮のお祭りのくじ引きをして2回連続でスケボーが当たったのが最初の出会いでした。600円でコンプリート2台ゲットして頑張って自転車で持って帰った記憶があります。しかし昔のおもちゃボードでウィールは全然回らないし、ワンキックでレールバーも巨大なテールガードも付いていて10インチくらいあってめちゃくちゃ重かったので1ヶ月くらい友達とひとしきり遊んだら飽きて放置していました。飛べるという噂は聞いていてチャレンジしたのですが、そもそもどうやるのかわからなくて、チクタクはできたけどそれ以外は坂降りるか自転車に引っ張ってもらうかしか遊び方が発明されませんでした。
そしてそれから全くスケートボードに興味のない学生時代を過ごし、なんならスケーターってかっこつけてる不良みたいな感じのイメージで、ナルシストが夜中に騒音出してると、あまり好ましく思っていませんでした(まぁその感性は今も間違っているとは思いませんが)
高校3年生を迎えようとする春休みのある晩に金曜洋画劇場みたいな番組の途中で不意にスケーターが出てるCMが放送されました。それはDCのコマーシャルでJoshu kalisが出演していたのですが、彼が警備員に突き飛ばされ、板を一回転させながら石を飛び越えているのを観た時、なぜか涙がこぼれてきて、全然興味も持っていなかったのにその一度観ただけのCMにやたら心揺さぶられました。マイケルジョーダンがダンクするCM見た時も泣きましたが、それはそもそもバスケめちゃくちゃ好きだったからだし、あとは最初から泣かそうとして作っている明治安田生命のCMで泣いたくらいだったので、なんでちょっと嫌いなスケボーに感動して泣いてるの俺?と不思議に感じていました。
どっちにしろやってみるしかないでしょと、 ちょうど誕生日の前だったから、次の日プレゼントにスケートボードをねだり買いに行きました。6千円くらいのおもちゃデッキだったので一週間もしないうちにトラックが折れましたが、楽しすぎたのでちゃんとしたのをすぐにバイト代で買いに行きました。
そこからは毎日一人で一日6時間以上はスケートする日が続きました。雨でも関係なく毎日滑っていました。高校三年生の受験シーズンなんて完全無視して1年ほどその生活を続けました。ちなみに最初の2ヶ月で8キロ痩せました。羨ましいです。
学校で授業受けていてもスケボーのことを考えて早く滑りたくてわくわくしてノートによだれが垂れてたし、定規とか平べったい板状のものを見るとよだれが出るという条件反射をしばらく患っていました。
まさに初恋、童貞喪失したばかりの猿男子のごとくスケートボードを貪っていました。
その時の情熱が永遠に続くことを望んでいましたが、時が経つにつれ愛し方は変わっていきました。それはそれでいいものだと今は思いますが、DCのコマーシャルを見た時のことを思い出すと今でも少し泣きそうになります。
ちなみにリアル初恋のことで泣きそうになることは全くありません。
というか覚えていません。
後に知ったことで、ブルーハーツの甲本さんが音楽を始めたきっかけは中学生の頃に不意にラジオから流れてきた、好きでもない英語の歌。在日外国人のためにやってると思っていた無意味な音楽、ロックを聴いて畳掻きむしりながら訳もわからず号泣してたというエピソードがありますが、自分のあの謎の感動はそれに似てる経験なのかと思いました。 かっこよすぎかな…
そして甲本さんは、出会った時が人生のピークで、出会った瞬間にもう夢は叶っているとも言ってました。あの優しい子供みたいな話し方で言われるとめちゃくちゃ心に沁みます。
とにかく! 最初に好きだと思ったのがジョシュキャリっていうのは我ながらいいセンスしてます。
特にスケートスタイルに影響は受けていませんが、スケートボードが大好きなんだなぁっていうのが伝わってくるスケーターだし、今でも滑ってくれているのが嬉しいです。
YouTubeにCMありました。なんか自分の記憶と少し違います。画質クソ悪いです。
どこぞのおっさんの思い出を読んでくれてありがとうございます。
初繋がりということで年末にこんなお話させていただきました🙏🏻
初恋のようなスケートボードとの出会いが一人でも多くの人に訪れることを願っています。
1秒前の自分じゃないことを確信できる楽しさはそうそうないです。自分が自分だけのためにあんなに感動できる瞬間も滅多にないです。そしてその感動を共有できる仲間がいるという幸運と幸福を与えてくれたスケートボードと、それを選択した過去の自分に感謝しています。
今年一年誠にありがとうございました!
24年度も自分も店も成長できるように精進していく所存ですのでよろしくお願い致します。
良いお年を✌︎(‘ω’✌︎ )