25周年を迎えるにあたり、今までスケートボードを続けてきて生まれた 沢山の出会いやご縁に思いを巡らせる中、是非ともこの思いを スケートボードを通して表現したいという気持ちが沸き上がり 生まれたのがこのデッキです。 色味が違う樹種を使用した4種のデッキは日本の四季をイメージ。 埋め込まれた五つの「円」はスケートボードを通しての「繫」「縁」を 表現しています。トップ面は、「スケートボード一筋」をイメージして 廃デッキを埋木細工されています。 製作は以前より親交がありそのスケートボードに対する思いに 同じ匂いを感じ、また氏の生み出した多くの作品に強い憧れを 持っていた GRAIN-ON SKATEBORDS の ヤマウチ氏に依頼。 25周年を記念する素晴らしいスケートボードが誕生しました。
スケートカルチャー黎明期のボードスタイルに強い影響を受け、無垢の一枚板から削り出すスケートボードの デザイン、制作を開始。家具職人として培ってきた技術と経験を活かし、当時のデッキ製法と伝統的な木工技法を 組み合わせた独自のスタイルを確立。映画・音楽・歴史・伝統芸能、自身が吸収してきた様々なカルチャーも作品に 彫み込む。クラシックなデザインからスケートボードの概念を覆えすほどのユニークなデザインまで、幅広く作品を 発表している。国内外の企業やブランド、アーティストとのコラボレーション、アートショーへの参加なども積極的に 行い、その活動の場を広げている。
春をイメージした樹種「メープル」です。 埋め込み部分はサペリと言う樹種を使用。 季節の始まりはやはり、ストリート用の 7枚プレスデッキでもお馴染みのメープルを 使用しました。 杢目がギザギザして荒々しいハードメープルは、 あて使用せず、杢目がゆるやかで優しい 通常のメープルを使用しています。 雪どけ、そしてほのかに温かくなってくる 季節を表現しています。 杢目が詰まっていて、粘りもある本当に凄い 樹種で、長い間スケートボードに使われてきた 理由が分かります。
夏をイメージした樹種は「サペリ」です。 埋め込み部分はメープルを使用。 暑い夏をイメージさせる樹種として選んだ サペリはアフリカの赤道付近に多く分布 している赤茶の色味がとても美しい木です。 時間が経つにつれ深みのある色に変化し ます。 この樹種は少々じゃじゃ馬で、今回使用した 樹種の中でも最も反りやねじれが生じます。 反りがでたり、また戻ったりを繰り返しますが、 乗るのが困難になるほどではありません。 活動的な夏を表現するのにぴったりの 沢山呼吸する樹種です。
秋をイメージした樹種は「ケヤキ」です。 埋め込み部分はウォルナットを使用。 ケヤキはとても優秀な樹種で、その丈夫さから 神社仏閣など重要な建築にも多く使われてきた 樹種です。奈良県の正倉院にある宝物も ケヤキで作られていますが、1300年経った 今でも現存している事などからもケヤキが いかに優秀な樹種なのが分かります。 作者が暮らす熊本では銀杏並木が沢山あり 熊本市のシンボルツリーとなっています。 秋になると至る所で黄色に変わった銀杏の 葉っぱが地面に落ち、美しい黄色の絨毯に なります。秋と言えば紅葉の赤を思い浮か べる方も多いと思いますが、作者のイメージで 銀杏の葉の色に近いケヤキを使用しました。
冬をイメージした樹種は「ウォルナット」です。 埋め込み部分はケヤキを使用。 ウォルナットは主に北米に多く分布している アメリカを代表する樹種で、色味や杢目の 美しさから世界の銘木の一つと言われています。 ホワイトハウスの大統領が座るデスクも このウォルナットが使われているそうです。 アメリカにしか生息していない為、古くから 米国を代表する製品に多く使用されており、 昔の拳銃やライフルの持ち手の部分に使わ れたり、楽器にもよく使用されています。 薄暗い冬空、枯れた落ち葉、そして北米という 寒い地域に分布するところから、冬を表現する 樹種として使用しました。
